RIASについて
一覧はこちら
研究代表者挨拶
The RIAS Studyは、戦後最悪の自然災害となった東日本大震災の被災者に対し、わが国で初めて国の経費により被災者の健康障害を科学的に分析し復興を支援するために開始された厚生労働省科学研究費補助金事業で、研究班の正式名称は、「岩手県における東日本大震災被災者の支援を目的とした大規模コホート研究」班です。この研究班の目的には、今後発生が予想される首都直下型地震や東海・東南海地震に如何に備えるべきか、また発災後どのような体制を構築すべきかの知見を得ることも含まれています。
発災から10年経ち、支援により脳卒中の発生を低く抑えることが出来、自殺死亡率が以前よりも低い状態で推移ししているという成果を挙げている一方で、現在恒久住宅に転居された被災者は、今もPTSDの症状や心の健康に問題を抱え、経済的に困難な状況にあり、高齢化により新たな病気を発生するという問題を抱えていることも事実であります。
当初のThe RIAS Studyとしての研究期間は10年間で終了となりますが、追跡研究は今後も継続して実施し、被災者の健康状態の分析結果の発信は継続して実施する予定です。本研究を通じて、被災地の皆様の健康状態の改善のため、今後とも被災地支援を継続して行う予定です。
岩手医科大学衛生学公衆衛生学 教授 坂田 清美