厚生労働科学研究 岩手県被災地の健康ねっと

平成24年度厚生労働科学研究費補助金(健康安全・危機管理対策総合研究事業)
「岩手県における東日本大震災被災者の支援を目的とした大規模コホート研究」

健康調査でわかったこと

健康調査の質問票における身体活動関連項目の妥当性と再現性

「岩手県における東日本大震災被災者の支援を目的とした大規模コホート研究」において実施されている健康調査では、質問票による調査も行っており、その質問票には身体活動状況に関する4つの項目が含まれています。

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東日本大震災に被災された方々の食事パターンに関する研究

2011年度に実施した質問票調査をもとに、主食を除く7つの食品群の摂取頻度(表)について、因子分析という方法で分析しました。その結果、健康志向と肉食志向の2つの食事パターンがあることがわかりました。「魚・貝など」「豆腐・納豆など」「野菜」「くだもの」「牛乳・ヨーグルト・チーズなど」を多く摂取する健康志向パターンは高齢の方および女性に多く、「肉」と「卵」を多く摂取する肉食志向パターンは若年の方および男性において多くみられました(図)。さらに分析を進めると、男女とも喫煙する方々や暮らし向きが苦しい方々で健康志向パターンの得点が低い方が多く、男性では喫煙する方々や毎日飲酒する方々において肉食志向パターンの得点が高い方が多いことがわかりました。

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健康状態

今回の調査結果では、2011年から2012年にかけて健康状態の悪い者の割合は減少しましたが、非仮設住宅の住民に比較して、仮設住宅の住民では健康状態の悪い者の割合が高く、BMIが25を超える人の割合も高くなっていました。

健康状態の自己評価(男女別)

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仕事の状況

仕事をしていた者のうち、失業した者は男性では27.1%から17.8%、女性では37.9%から24.5%まで減少しましたが、依然として高い水準でした。

震災による仕事の状況の変化

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暮らし向き(経済的な状況)

現在の経済的な状況は全体としては改善していますが、男女とも経済的に苦しいと答えた者の割合が40%を超えていました。

現在の暮らし向き

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発災後の住居の移動回数

発災後の住居の移動回数

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睡眠の状況

アテネ不眠尺度とは、世界保健機関(WHO)が中心になって設立した「睡眠と健康に関する世界プロジェクト」が作成した尺度で、4点から5点で不眠症予備軍、6点以上で不眠症の可能性が高くなります。

今回の調査結果では、アテネ不眠尺度による睡眠障害のある者の割合は改善していました。しかし、仮設住宅の住民では非仮設住宅の住民に比べ有所見者の割合が高くなっていました。
また、睡眠障害は健康状態、失業、経済状況、転居回数と密接に関連していました。

性別アテネ不眠尺度(AIS)得点分布の変化

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心の健康(K6)

K6とは、心の健康を測定する尺度で、5点以上で、心に何らかの負担を抱えている状態、13点以上で深刻な問題が発生している可能性が高いといわれています。

今回の調査結果では、K6による心の健康に問題のある者の割合は改善していました。しかし、仮設住宅の住民では非仮設住宅の住民に比べ有所見者の割合が高くなっていました。
また、心の健康は健康状態、失業、経済状況、転居回数と密接に関連していました。

性別心の健康(K6)得点分布の変化

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